無料の Private VPN「ZenMate」メモ
9ヶ月前にサービス開始し、今や利用者は300万人と言われている無料のVPNソフト「ZenMate」をインストールしてみました。VPNというと多くの方は、どこにいてもネットにさえ繋がれば会社や自宅にいるように作業を行える環境を提供してくれるものというイメージをお持ちなのではないでしょうか。
今回、インストールしたものはそれとは少し違うものでボクは区別するために「Private VPN」と呼ぶようにしています。
どういうものかを簡単に説明すると目的のサーバにアクセスする前に1つサーバを経由してからアクセスを行い、自身とその経由するサーバとの間の通信は暗号化されるというものです。また、アクセスされる側の目的のサーバから見ると元々のアクセス元、つまり、あなたは見えないわけです。
上図でいうと①がPrivate VPNを使用しない通常のアクセスで、②と③がPrivate VPNを利用したアクセスです。
②の通信は、暗号化されているためフリーのWiFiなどの安全ではないネットワークでhttpアクセスを行ったとしてもネットワーク盗聴が行われていたとしても一切の通信の中身を覗き見することはできません。③の通信は使用されているプロトコルに依存する形になります。httpであれば非暗号ですし、httpsであれば暗号化されます。アクセスされる側の目的のサーバから見ると元々のアクセス元(図では[クライアント])が見えないと前述しましたが、この図でいうと[目的サーバ]から見た場合、Private VPNサーバからのアクセスに見えるためです。
Private VPNを利用することで通信の秘匿と通信の匿名性をある程度保つことが可能になるわけです。
(ただし、これらのサービスを利用し犯罪を行った場合、法執行機関による捜査によって身元が判明する可能性はゼロではありません。過去にそういった事例もあります。)
また、国によってネット検閲が厳しく、自由に自国外のサーバとの通信が許可されていない場合があります。
そういった場合にもPrivate VPNは下図のように効果を発揮します。
[A国]はネット検閲が厳しく、何かしらの理由で[C国]への通信が許可されていないとします。
しかし、[A国]は[B国]との通信は許可されており、[B国]は[C国]と自由に通信ができるとします。
その場合、[A国]から[B国]にある[Private VPNサーバ]を経由することで結果[C国]にある[目的サーバ]と通信できるというわけです。また、こちらも前述した通り[クライアント]と[Private VPNサーバ]との間の通信は暗号化されているため通信内容を見ることができず[A国]による検閲も回避できるということになります。
これをブラウザでの閲覧に絞って実現するサービスが「ZenMate」です。
(対応ブラウザはこのエントリ作成現在ChromeとOperaのみです。)
前置きが長くなりました。
それでは「ZenMate」のインストールです。今回はChromeにインストールします。
まずは、公式サイト(https://zenmate.com/)にアクセスします。
トップページにある[Add ZenMate]をクリックします。
するとアクセス権限の確認のポップアップが表示されるので確認の上、問題ないと判断したら[追加]ボタンをクリックします。
追加が完了すると画面が変わり、メールアドレスの登録画面になります。
メールアドレスを入力し、[Get secured now]ボタンをクリックすると画面が切り替わり、自動で生成されたパスワードが表示されます。これはユーザ情報の変更などの際に必要になるのでメモするなりパスワード管理ソフトに記憶させておいてください。
これでインストールは完了です。と同時に「ZenMate」が有効化されています。
先程まで青色だった盾のアイコンが緑色になっていると思います。
ためしに自身のIPアドレスなどを確認できるサイトにアクセスしてみるといいでしょう。(例えばココとか)
オフにしたい場合は、盾のアイコンをクリックしてポップアップしたウインドウの右下にある[ON]を[OFF]にするだけです。
またロケーション(経由する[Private VPNサーバ]の物理的場所)を変更することも可能です。
同じく盾のアイコンから表示されたポップアップの中央にある盾の部分をクリックするか、左下にある[Change location]をクリックしてください。
するとポップアップしたウインドウの表示が切り替わりロケーションを選択することができます。
選択できるロケーションはこのエントリ作成現在「香港 – 九龍」「ドイツ – フランクフルト」「イギリス – ロンドン」「スイス – チューリッヒ」「アメリカ – ニューヨーク」の5つです。
変更して自身のアドレスがどのように見えるのかの結果を確認してみてはいかがでしょうか。
今後、対応ブラウザや経由ロケーションが増えたり、サービスが拡張されれば有料のサービスも出てくることでしょう。この先が楽しみなサービスです。