11月 1

CGI版のPHPの処理の脆弱性により任意のコードが実行される脆弱性(CVE-2012-1823)に関する検証レポート

【概要】
DebianやUbuntuのphp5-cgiパッケージに、リモートより任意のコードが実行される脆弱性(CVE-2012-1823)を利用可能な、新たな攻撃コードが発見されました。
この脆弱性(CVE-2012-1823)は、PHPをCGIモードで動作させている場合に影響を受け、攻撃対象からPHPのソースコードを漏洩させる、または任意のコードを実行することが可能になります。
DebianやUbuntuのPHPのソースコードsapi/cgi/cgi_main.cでは、php.iniに対してcgi.force_redirectがセットされる際に、cgi.redirect_status_envはデフォルトでnull値が設定されます。これにより、ApacheなどのWebサーバを利用している場合にPHPのセキュリティチェック機能が回避され、任意のコードが実行可能となります。

攻撃者は、CGIモードで動作しているPHPコンテンツに対して、リモートからソースコードを参照したり、またはWebサーバの動作権限で任意のコードの実行が可能です。(2013年11月7日修正)
攻撃者は、CGIモードで動作しているPHPコンテンツまたはphp-cgiに対して、リモートからソースコードを参照したり、またはWebサーバの動作権限で任意のコードの実行が可能です。

今回、この脆弱性の再現性について検証を行いました。

【影響を受ける可能性があるシステム】
– PHP 5.4.2 以下のバージョン
– PHP 5.3.12 以下のバージョン

【対策案】
この脆弱性が修正されたPHPバージョン5.4.2よりも新しいバージョンのPHP、または、5.3.12よりも新しいバージョンのPHPにアップデートしていただく事を推奨いたします。

【参考サイト】
CVE-2012-1823

【検証イメージ】
cve-2012-1823image

【検証ターゲットシステム】
Debian 5.0.9

【検証概要】
脆弱性の存在するターゲットPCより、攻撃者が作成した細工された応答を返すサーバにアクセスすることで脆弱性を利用した攻撃を行い、任意のサーバの任意のポートにコネクトバックさせ、結果、シェルを奪取するというものです。
これにより、リモートからターゲットPCの操作が可能となります。

【検証結果】
下図は、攻撃後の誘導先のコンピュータ(MacOS X)の画面です。黄線で囲まれている部分は、誘導先のコンピュータのホスト情報です。一方、赤線で囲まれている部分は、ターゲットPC(Debian)において、コマンドを実行した結果が表示されています。
これにより、ターゲットPCの制御を奪うことに成功しました。

cve-2012-1823cutline

special thx:
y.izumita

【2013年11月7日修正】
コメントをいただきましたので本文を訂正させていただきました。
ozuma5119さん、ご指摘ありがとうございます。


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Posted 2013年11月1日 by ntsuji in category "exploit