1月 16

JICS2014に参加してきました。

jics2014

JICS(JAPAN IENTITY & CLOUD SUMMIT)2014でお話をしてきました。

ボクが出させていただいたトラックはこういう感じのものだったのですが構成としては
根岸さん、ボク、徳丸さんの順番にそれぞれの視点(ボクは攻撃者視点)でお話をしてから
その3名に楠さんを加えてパネルディスカッションを行なうというものでした。

ボクがお話したときの資料はコチラ
(ただ、これを見ながら聴いていただくための資料で、持ち帰りを前提とした配布資料的なものではないのであしからず。)

全体的にいつも参加しているイベントと違い、自分としてはとても新鮮な雰囲気でした。
このイベント自体がセキュリティオンリーなものではないので、そこがそもそも新鮮さを誘発する要因だったのかもしれませんね。ふと思ったのですがセキュリティって色々なものに関連するにも関わらず、切り離してセキュリティだけで独立したものが多いような気もします。
例えば、Webアプリを開発されている方はデータベースやWebサーバなどなど関連する方々と割と繋がっているイメージがあります。自戒として色々なところに話を聴きにいかないといけないな。などとぼんやり思いました。

パネルディスカッションのときには色々なお話をしたと記憶してるのですが、自分的に今回のボクは些か控えめだったように思います。その分、自分の話した内容を割としっかりと覚えています。折角なので自分が振り返ることができるという意味でも2点ほどメモしておきます。

【パスワードを覚えられない方はこちら】

パスワードって色々なところにあります。
ネットワーク上のサービス、銀行ATM、各種デバイスなどなど。
1つも使っていないって人を探す方が難しいのではないでしょうか。
そんな状況の中で
「複雑なパスワードを設定して、サービスごとに別々のものを設定して使い回しをしない。」
という人力のみでは割とハードルの高いものを要求されます。
ボク自身はパスワード管理ソフトを使っているのでそれほど苦ではないのですが、これをすべての人が使いこなせる、使おうと思うかどうかというと答えは絶対に「No」だと思います。
ボクの実家の家族のコンピュータにはアンチウイルスをインストールしてありますし、Windows Updateなどの各種アップデートもするように伝え、その方法も覚えてもらいました。
これだけでもやっとだったのに、これに加えてパスワード管理ソフトの使い方を覚えるとなると相当ハードルが高くなるとボクは思います。
コンピュータに明るい方は、簡単だと思ってしまうのだと思いますが、それと同じ事を自分のお父さん、お母さん、さらには、おじいちゃん、おばあちゃんができるか?ということを考えればおそらく多くの方はボクと同じような答えになるのではないでしょうか。

そんな中、1つの方法としてサービス提供側がユーザ登録時に強固なパスワードを発行して、それを使ってユーザはログインし、自分の好きなものに変更することはせず、再度ログインするときには再発行/リセットするといった「なんちゃってワンタイム」(実際には再発行/リセットするまで同じパスワードなのでワンタイムとは呼べませんが)的な運用を行なうという選択肢もあってもいいのかも?と思いました。
もちろん、再発行/リセットを行うためのメールアカウントなどは死守する必要はありますが、記憶/記録しておかなければならないものが減りますし、サービス提供側が毎回強固でランダムなものを発行すれば
「複雑なパスワードを設定して、サービスごとに別々のものを設定して使い回しをしない。」
ということは満たされますし、リスト型攻撃などによる被害状況は改善されるのではないかと思います。
(追記:再発行とすると平文でパスワードがメールで届くことがイメージされるため、再発行から再発行/リセットとしました。)

そんな事をパネル中に考え

「こういう運用をしたい人には
パスワードを忘れた方はこちら
みたいに
パスワードを覚えられない方はこちら
みたいなリンクがあってもいいんじゃないでしょうか。」

という発言をしました。

【続きを読むには…】

記事の続きを読みたいけど…
資料をダウンロードして読みたいけど…

その為にはユーザ登録しなければならない。
多くの方が出会ったことがある状況でしょう。
登録を求める側も個人情報が欲しいので、その気持ちは分かるのですが
本当に面倒ですよね。アレ。

そのためだけに登録するのは…うーん… と思いますし
頑張って「続きを読む」にしても表示してみたら2行ぐらいしか続きがなかった…
なんてことに遭遇し、どっと疲れたこともあります。

パスワード管理の観点からすると管理しなければいけないアカウントが増え
これも簡単なパスワード、使い回しを誘発する要因となると考えられます。

そこで、言い方は悪いですが

「ユーザにとって価値の低いと考えられるアカウントだけを
ID連携でまとめてしまうというのもあってもいいのではないでしょうか?」

という発言をしました。
実現するかどうかは別にして以外と楽になるんじゃないかなって思います。

上記、2点はあくまでアイデアレベルですので、実現するには様々な課題もあるのだとは思います。
そして、もっともっとセキュアでスマートな方法はあると思いますが、前述した通り、すべてのテクノロジーをすべてのユーザが使いこなせるわけではありません。また、金銭をはじめとする様々な事情があり、すべてのサービス提供側がそのテクノロジーを導入できるわけでもありません。
できる方はどんどん前に進みますが、そうではない方はどんどん取り残されるばかりです。
しかし、本当に守ってあげなければいけないのはそういう方々なのではないかなと一人のエンジニアとして思いました。弱きを守るのがセキュリティだと思うのです。

0か100のどちらか。
ではなく「よりよい程度と選択」なのだろうな。
ということを考えたパネルディスカッション、イベントでした。

ntsuji_jics2014

セッションを聴講された方々のツイートを
novさんが
まとめてくださっているのでご興味あるかたはお読みいただければと思います。


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Posted 2014年1月16日 by ntsuji in category "memo